『俺の家の話』を見た話

あけましておめでとうございますというには図々しい日付ですが、

今年初めてなので念のためご挨拶。

 

本年もどうぞよろしくお願い致します。

 

それでいきなり表題ですが、

これを最後に表舞台から引退するという、

TOKIOの長瀬智也が主演の

『俺の家の話』というドラマを見たんです。

 

宮藤官九郎の脚本は間違いなく面白いだろうという期待と、

長瀬智也が出ると『池袋ウエストゲートパーク』が脳内でよみがえるのと、

あと、介護がテーマというのも興味深くて、

普段ドラマ、、いや、テレビをほぼ見ないのですが、

録画の予約をちゃんとしておきました。

 

『池袋ウエストゲートパーク』はこの間見返したら、

ケンカのシーンが思っていたよりえげつなくて、

「こんなだったっけ…」と完全に怖気づいてしまったのですが、

キング役の窪塚洋介の演技が大好きで、

毎週見入っていたんです。当時。

 

『俺の家の話』は、

能の大家の長男として生まれた長瀬智也がプロレスラーになっていて、

父親が倒れ、介護のために実家に戻ってくる話なのですが、

長瀬智也のプロレスラーっぷりがすざまじい。

「いる!こんなレスラー!」って思えなければ、

なかなかドラマに集中できない(なぜなら私がプロレス好きだから)ですが、

肉体、しぐさ、リング上の動き、雰囲気、コスチューム、

「長瀬って、レスラーだっけ…」くらい出来上がっています。

 

最初にもうそこで心を鷲掴みにされたので、

もうそれだけで満足っちゃ満足なんですが、

ほかの役者さんもみんないい、はまっています。

 

と、ドラマの見どころを語ればいくらでも書けるんだけれど、

メインの介護の話。

ここの書き方がこれからも注目されそうですが、

現実感と、あと、ちょっとの悲しみを感じる部分もあると思うのですが、

そこも出しつつ笑えるので、

素晴らしいな!!と思いました。

 

何を隠そう自分も介護を経験し、

なんだか激流に投げ込まれたような日々もあったので、

疲労感、いらだち、罪悪感、悲壮感、色んな感情に出会いました。

なんで自分ばっか、とも思ったし、

なんで私がこんなことやんなきゃいけないんだとも思ったし、

だいたい、

子どもが生まれたらいきなりベテランの親になるわけじゃなく、

子どもと一緒に成長して「親になっていく」もんだと言ったりしますが、

まさにそれと同じで、

介護なんて誰も最初は素人だから、

何もわからないんですよね。

制度も、誰に相談すればいいのかも、実際この困っている親とどう接して、

どのように助ければいいのか。

 

自分がアップアップしながらもなんとかやってこられたのは、

助けて―、お願い―、頼む、教えてーといえるようになったことと、

愚痴を言い合い笑いに昇華出来る相手(妹)がいたのが

大きかったです。

 

一言でいえば介護はプロに任す!

家族なんてなにも出来ないと思うくらいでいい。

実際知恵も経験もないですし、

何よりも「元気な時のお父さんお母さん」を知ってるから、

「元に戻ってくれ」と思ってしまいがちだけど、

それが一番ジャマをする。

 

それから、これは私の問題ですが、

けがや病気が増えてきたときに両親に対して、

病院の付き添いや看病で私の時間が奪われる、

だから私はやりたいことができない、

私のやりたいことはいつも邪魔をされて出来ない。

そういうことを心の底で感じていました。

 

感じているんだけれど、「そんなことを考えてはいけない」はてには「そんなこと思ってない」

「そんなに私なんか大変じゃない」

という風に自分の感情にたくさん蓋をしてきた。

それが自分を追いつめているとわかり、

 

「そう思ってもいい」

 

と考えるようにしました。徹底して。

これは自分で編み出したのではなく、人に教えてもらった思考方法ですが。

 

それを繰り返して繰り返して、

自分が何を思っても許すようにしていると、

やっと感情がフラットになってきて、

起こっていることを単純にそのまま受け止められるようになってきました。

 

あのドラマに出てきた、

西田敏行演じるお父さんの「記憶力が少し衰えている」

とわかるシーンの時、

以前の私だったら「こういうことある、介護してた私つらかった、かわいそうな私」

と、勝手に泣いていたと思います。

(親がかわいそうなのではない、そんな現実に直面してる自分がかわいそう)

でも、今は、

「あー。あるあるだなぁー」

とドラマがそのまま入ってくるだけでした。

 

そうなると、感情に振り回されずに、

「じゃあどうしたらいいか」を考えらるようになる。

でもそこまでいくにはすごく時間がかかる。

だから最初から感情に振り回される必要のない「他人」であるプロに、

なるべく頼り、お任せしてみる。

「じゃあどうしたらいいか」をいっぱい知っている人たちですし。

そう思えてからはとても楽になりました。

 

久しぶりにドラマにはまれそうなので楽しみです。

あと介護ヘルパー役の戸田恵梨香すごいな!

見ててずっと誰だかわからなかった、いつも全く違う雰囲気で現れませんか?

あの人。

ロバートの秋山にも興味津々。